4月は、5月の定例研究会にご登壇くださる田村さんのご著書『二宮尊徳と創造経営』(田村新吾著、カナリアコミュニケーションズ)からのQuoteをご紹介しています。
第3章の「植物から経営を学ぶ」で、田村氏は「草刈りは低いところから始めるものだ」(p.106)と二宮尊徳の言葉を解説しています。
小さく始めて、大きく進むことを尊徳は「積小為大」と呼んだ。大きなことをしようと思って、不相応の援助を求めるなという教えである。
『二宮尊徳と創造経営』(p.106)
この章では、田村氏がソニー時代に上司からカセットデッキ開発を任された経緯を紹介しています。最初は1週間くらいでできることにチャレンジさせられ、次に6か月の開発を任せれ……と、小さな経験を積み上げていったことで、自信を得て、次々と発明ができるようになっていったというエピソードでした。
「小さく始めて、大きく育てる。」
私も事業を作るときに、よく先輩方から言われた言葉です。
特に、まったく新しい商品・サービスを生み出すときは、必ずモックを作り、それがターゲットに響くか検証をしています。
アート思考のプロセスの2番目のイノベーションの行為のところで、「試作しながら完成させる」と入れているのは、この小さく始めることをイメージしているからです。
戦略・事業開発コンサルタント、声楽家、アート思考研究会代表幹事
イリノイ大学在学中に、世界初のウェブブラウザ―であるNCSA Mosaicプロジェクトに参加後、世界初の音楽ダウンロードサービスやインターネット映画広告サービス等の数多くの新規事業を立ち上げ、インターネット・エンジニアのキャリアを重ねる。ボストン・コンサルティング・グループの戦略コンサルタント、GE Internationalの戦略・事業開発本部長、日本IBMの事業開発部長を歴任。2012年に独立し、戦略・事業開発コンサルティングを行う会社Leonessaを設立。明治大学サービス創新研究所客員研究員。声楽家としても活躍し、TV朝日「題名のない音楽会」では「奇跡のハイヴォイス」と評される。国際芸術連盟専門家会員。
子どもの不登校をきっかけに、大学で心理学を学び、認定心理士、不登校支援カウンセラー、上級心理カウンセラー、Therapeutic Art Life Coachなどを取得、心のレジリエンスとアート思考の融合を模索中。
著書
- 『ミリオネーゼの仕事術【入門】』
- 『自由に働くための仕事のルール』
- 『自由に働くための出世のルール』
- 『考えながら走る』など多数。