今月は、詩人 金子みすゞさんの詩をテーマにしています。
前回も紹介した中田喜直先生作曲による「ほしとたんぽぽ」に、今回紹介する「わたしとことりとすずと」という金子みすゞさんの詩が出てきます。
「お空は飛べない」「地面は走れない」「きれいな音は出ない」「たくさんな唄は知らない」と、わたしができないこと、知らないことをたくさん挙げています。
この曲をはじめて演奏した時に、先生から、「人は、生まれたときは何もできず、何もしらない。でも、成長の中で、いろんなことを身につけていく。そして、いつの間にか、できない人、知らない人を差別してしまいがちになるけれど、もともと私もできなかった、しらなかった。できる喜び、知る喜びを歌える人になってほしいな」ということを言われて、私の楽譜にはそのときの先生の言葉のメモが残っています。
たまにこの曲を口ずさみ、「できるようになる喜び、知る喜び」が伝わる演奏だけでなく、そういう場を作りたいなぁと思って、この研究会を運営しています。
ところで、この曲を思い出したのは、今年の夏休みに小学生の娘が、読書感想文を書いていた時に、「みんなちがって、みんないい」と書いていたからです。
彼女が読書感想文を書いたのは、ミゲル・ダンコ著『すうがくでせかいを見るの』でした。
戦略・事業開発コンサルタント、声楽家、アート思考研究会代表幹事
イリノイ大学在学中に、世界初のウェブブラウザ―であるNCSA Mosaicプロジェクトに参加後、世界初の音楽ダウンロードサービスやインターネット映画広告サービス等の数多くの新規事業を立ち上げ、インターネット・エンジニアのキャリアを重ねる。ボストン・コンサルティング・グループの戦略コンサルタント、GE Internationalの戦略・事業開発本部長、日本IBMの事業開発部長を歴任。2012年に独立し、戦略・事業開発コンサルティングを行う会社Leonessaを設立。明治大学サービス創新研究所客員研究員。声楽家としても活躍し、TV朝日「題名のない音楽会」では「奇跡のハイヴォイス」と評される。国際芸術連盟専門家会員。
子どもの不登校をきっかけに、大学で心理学を学び、認定心理士、不登校支援カウンセラー、上級心理カウンセラー、Therapeutic Art Life Coachなどを取得、心のレジリエンスとアート思考の融合を模索中。
著書
- 『ミリオネーゼの仕事術【入門】』
- 『自由に働くための仕事のルール』
- 『自由に働くための出世のルール』
- 『考えながら走る』など多数。