アーサー・C・クラークさんの言葉の中で、好きなものを1つだけ挙げてくださいと言われたら、たぶんこれを挙げると思います。
新しいアイディアには、次の3つの時期がある。
アーサー・C・クラーク
1)できるわけがない。
2)たぶんできるだろうが、やる価値はない。
3)最初からいいアイディアだとわかっていた!
特にチームで討議しているときに、この3つはよく出現します。
新しいアイディアを思いついた時、最初にチームの誰かが「いいアイディアだけど・・・できるわけないよね」と言います。思いついた人がなんとしても実現してやる!と思い、あれこれ画策していると、しばらくすると他の人がこんなことをいいます。「たぶんできるだろうけど・・・うちの会社がやる価値があるの?ベンチャーならわかるけど」と水をさすこともしばしば。それにめげずにやり抜き、事業がローンチし、次々と利用者が増えていった後、しばらくしてから上司の人がこんなことを言い出します。「最初からいいアイディアだとわかっていた!」
数多くのベンチャーや新規事業を立ち上げる中で、孤立無援になったこともありました。
「地下に潜ります」と言って、他のプロジェクトをやりながら、こっそりとプロジェクトを進めていったこともあります。そして、最初の顧客が見つかり、クチコミでどんどん広がっていった時に、上司に呼ばれてこういわれました。「お前がプロジェクトをこっそりかくれてやっていたことを知っていたよ。いいアイディアだと思っていたからね。陰ながら応援していた。」(うそだぁ~と私が心の中で思ったのはお気づきの通りです)
結局のところ、自分の中でも、他人の中でも、完成したり、成功するまでは、「できるわけない」「価値があるのか?」などの疑問が沸き上がるわけですが、それを無視して突き進んだ先にしか、成功はないのです。
あなたの中に湧き上がる声を無視して、思いついたアイディアを形にしてみましょう!!
戦略・事業開発コンサルタント、声楽家、アート思考研究会代表幹事
イリノイ大学在学中に、世界初のウェブブラウザ―であるNCSA Mosaicプロジェクトに参加後、世界初の音楽ダウンロードサービスやインターネット映画広告サービス等の数多くの新規事業を立ち上げ、インターネット・エンジニアのキャリアを重ねる。ボストン・コンサルティング・グループの戦略コンサルタント、GE Internationalの戦略・事業開発本部長、日本IBMの事業開発部長を歴任。2012年に独立し、戦略・事業開発コンサルティングを行う会社Leonessaを設立。明治大学サービス創新研究所客員研究員。声楽家としても活躍し、TV朝日「題名のない音楽会」では「奇跡のハイヴォイス」と評される。国際芸術連盟専門家会員。
子どもの不登校をきっかけに、大学で心理学を学び、認定心理士、不登校支援カウンセラー、上級心理カウンセラー、Therapeutic Art Life Coachなどを取得、心のレジリエンスとアート思考の融合を模索中。
著書
- 『ミリオネーゼの仕事術【入門】』
- 『自由に働くための仕事のルール』
- 『自由に働くための出世のルール』
- 『考えながら走る』など多数。