見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ

今月の言葉は、詩人 金子みすゞさんの詩からご紹介します。

私は、金子みすゞさんの詩に、中田喜直先生が曲をつけた歌曲集「ほしとたんぽぽ」をよく演奏します。

この「ほしとたんぽぽ」の歌曲集からよくアート思考の講演で演奏しお話しているのが、今回紹介する「星とたんぽぽ」です。

この詩は、「青いお空のそこふかく」で始まります。

なぜ、空ではなく、「お空」なのか?

今回、引用した「見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。」は、誰の目に見えぬのか? 

なぜここは2文字くらい下げて書いているのか?

「見えるけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ」は、この歌では、昼の星とたんぽぽの根を指しているけれど、この世の中に、そういうものは他に何があるんだろうか?

1回目の「見えるけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ」と2回目のそれは、どう変えて(変えないで)歌うのか

など、歌を歌い始める前に、詩の意味を考えて、それをどうやって歌で表現したらもっとも作者である金子みすゞさんの想いに近づくことができるのかを考えます。

そして、自分が考えた通りに演奏できるまで練習を重ねて本番を迎えています。

本番でお客様の反応を見て、次の演奏で表現を変えることもあります。

こうして、私が歌う「ほしとたんぽぽ」ができあがっていくのです。

私の演奏は、形には残らないけれども、私が自分の頭の中でイメージしているものの何割かはお客様に届いていると思います。自分がイメージできなければ、お客様にもそれは伝わりません。

私もまた、見えぬものを届けようとしていて、見えぬものでもあるのです。

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