5月は、『Joy Luck Club(ジョイ・ラック・クラブ)』を書いた作家、エイミー・タンさんの言葉を紹介します。
映画化もされたので、見た方もいらっしゃるかもしれません。
私は高校の国語の授業でこの本を読み、感動し、それから何度も読み返したり、映画を見たりしている作品です。中国系アメリカ人のエイミー・タンさんの小説で、4人の中国人女性が苦労してアメリカに移住し、その子どもたち4人の計8人の物語です。私がこれほどまでにこの作品に心惹かれたのは、アジア系としてアメリカで育ったことから、中国系アメリカ人の4人の娘たちがどのように親を見ているのか、そして自身のルーツをどう感じているのかという観点が大きかったと思います。また、親の世代の4人のそれぞれの中国での生活、そしてアメリカ行きまでも描かれていて、ちょうど自分の母親世代のことにいろいろと思いをはせることができたからというのもありますが、何よりも詩のように美しい言葉の紡ぎ方に感動しました。
この美しい言葉の紡ぎ方、そしてパズルのように組み合わされているストーリーを作る力は、いったいどこから来ているのだろう?
そんな疑問を持っていた時、TEDで彼女のスピーチを聞くことができました。
最近、また、彼女の本を何冊か読んでいて、TEDのスピーチを思い出したので、こちらでご紹介しようと思い、今月のテーマにしました。
https://www.ted.com/talks/amy_tan_where_does_creativity_hide
この中で、彼女は、
なぜ物事は起こるのか、そしてどのように起こるのか?… 物語を書くとき、この疑問を考えてみることは素晴らしい方法です。
AMY TAN “WHERE DOES CREATIVITY HIDE?”
ある出来事がなぜ起こるのか、どうのように起こるのかという疑問を考えていくことで、物語にしているというお話が出てきます。
『ジョイ・ラック・クラブ』はそうやって書かれたんだなぁと思うと、最初はどんな出来事からスタートしたのか、それは時系列だったのだろうか、などと、彼女の頭の中でどうやって物語が組み立てられていったのかを考えてみるのでした。
戦略・事業開発コンサルタント、声楽家、アート思考研究会代表幹事
イリノイ大学在学中に、世界初のウェブブラウザ―であるNCSA Mosaicプロジェクトに参加後、世界初の音楽ダウンロードサービスやインターネット映画広告サービス等の数多くの新規事業を立ち上げ、インターネット・エンジニアのキャリアを重ねる。ボストン・コンサルティング・グループの戦略コンサルタント、GE Internationalの戦略・事業開発本部長、日本IBMの事業開発部長を歴任。2012年に独立し、戦略・事業開発コンサルティングを行う会社Leonessaを設立。明治大学サービス創新研究所客員研究員。声楽家としても活躍し、TV朝日「題名のない音楽会」では「奇跡のハイヴォイス」と評される。国際芸術連盟専門家会員。
子どもの不登校をきっかけに、大学で心理学を学び、認定心理士、不登校支援カウンセラー、上級心理カウンセラー、Therapeutic Art Life Coachなどを取得、心のレジリエンスとアート思考の融合を模索中。
著書
- 『ミリオネーゼの仕事術【入門】』
- 『自由に働くための仕事のルール』
- 『自由に働くための出世のルール』
- 『考えながら走る』など多数。