【思考の種まき】

文化は耕す事で生まれる

自分でアート思考のセミナーとかやって何がしたいんだろう?と考えたら【思考の種まき】がしたいんだとわかりました。種をみんなで耕したら文化になる。
「culture」の語源は「耕す」を意味するラテン語で「心を耕すこと」なんだそうだ。【思考の種まき】においては、その種は気付きだったり好奇心の素だったりするのです。

これからの日本が誇れるのはITでも経済でもなく文化であると思います。アート思考はみんなで文化を耕すことの重要性も示唆している様に感じます。私たち日本人は島国として、いい意味でもガラパゴスな文化を持っています。それは生活様式の中で、例えば靴を脱いで家に上がることや、自動販売機が喋ること、風鈴や獅子おどし、浮世絵や寿司など、独自の文化の背景にあるメンタリティーや創造性に目を向けるべきでしょう。欧米追従型の文化推進からもっと内面に目を向ければ日本人が縄文時代から引き継いだ独自のDNAに気がつくはずです。経済的な発展はモノの時代が作ってきましたが、これからは無形資産の時代です。

無形資産の時代

様々な企業が文化活動に力を入れています。文化活動も無形資産の一つだといえます。経済活動においても利益を追求すること以上に付加価値としての文化に注力する企業が生き残る時代だと感じています。経済を成長させるのは「ヒト・モノ・カネ」の3要素だと言われてきました。ところが、すでに富を増やすことはストレスにしかならない時代がやってきます。日本の歴史が始まって以来体験したことのない人口減少は単純に生産者と消費者の減少を意味し、経済がスケールしない衰退社会に入っています。成長幻想や成功体験への執着から早く抜け出して、衰退社会を肯定して持続可能な社会を意識することが必要です。これからの時代、目先の利益を追っかけて得られる価値やモノ(有形資産)の所有は優位性がなくなってきています。これからは無形資産(アイデア、社会関係、文化)を持つ企業の方が有利な時代になっています。アメリカでは2000年にほぼ同水準となり、その後無形資産が有形資産を上回る形となっています。

無形資産は物質的な実体がなく、情報化によってもたらされたソフトウェアやデータベース、または特許、商標、ノウハウ様々ですが、無形資産に共通するのはアイデアから生まれるということです。生産性や効率化はモノの時代の優位性で、無形資産の時代で重視されるのはアイデア=創造性です。アイデアはモノとコトの集積が結びついて生まれてきます。

権威としてのアートの崩壊

信仰から多くの芸術が生まれてきた時代もありました。当時は富と権力の象徴をモノで見える化する事が権力の象徴とされていました。ピラミッドや寺院、城など巨大な建築物はその象徴としてわかりやすい例です。アート作品はかつては権力の象徴としてのモノでした。

信仰や権力の象徴としてのアートは現在も権威的なアートとして、その残骸は残ってはいるますが、バンクシーは1億5500万円で落札された作品をシュレッダーで切り刻むことで、権威的な芸術を内側から否定するテロ行為を行いました。つまり、権威を所有することを否定したということでしょう。アーティストの思想を高く評価し、作品を購入し所有する事、その事自体は表現で生きるアーティストの経済にとって必要な事です。一方で作品の本質とは関係なく投機の対象として金融目的として売却され価値が高騰している事実もあります。これがモノ(金)としてのアートです。こういった価値観も今内部から壊されています。

既存の体制の崩壊と未来へ向けて何を創るか?

価値観の変化が、モノの豊かさと心の豊かさに社会を2分して行く中で無形資産としての文化を私たちや企業の強みにして行くことがこれからもっと大切だと思うのです。

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