2022年3月27日に開催した定例研究会「美術を通じて変貌する思考空間~藝大入学までのプロセスから入学後の展開」のレポートです。
明治大学の阪井和男先生の授業で使われているアンケートフォーマットを使用し、参加者の皆様のご感想を収集しています。今回ご紹介するのは、掲載許可のあった方から、事務局で数名選んで掲載しております。
3つの質問
1:[事実としての根拠]得られた新しい知識 ※今回知ったことをまとめます。聞いた言葉を使って「根拠」を明示してください。
2:[自己の振返り]浮かび上がってきた課題 ※自分ごととして「振返り」ます。浮かび上がってきた自分の課題を書いてください。
3:自由記述欄です。ご自由にご記入ください。
- 長橋先生のお話から、「作品は求められているものと合致しなければ合格はないこと(一般社会でも同じことが起こる気がします)」、「作品は正確な描写・再現ではなく、モチーフ・タッチ・背景・境界・構図を用いて何を表現するか、それをエスキースに書き留めておくか」を明確にご説明いただきました。
- アウトプット、作品を制作する際に、上記1がまだできていないと実感しました。
- ご自身の経験や近代の画家の作品を引き合いに、言語化しにくいことをお話しいただき大変勉強になりました。社会にでられてからの活動やお考えについてもお聞きしたいです(第二弾期待しています) 本日はありがとうございました。
(K.S.)
- 独りよがりではいけない:相手に何を伝えたいか、またそれを「相手が何を求めているか」を考えながら戦略を練る。そのためのエスキースを作製する必要があるが、これは堅固な計画ではない。未来は誰も予想もしないことが起こる。その時に対応できるような余白は必要である。
- 限界を自分で規定している。:今汝は画れり(いまなんじはかぎれり) (論語:雍也)とは自らの限界を自分で決めてしまっている。限界は自然に自ずと現れる。それまで必死で求め続けるべし。
- 美術の根本概念が変わったわけではないけれど、例えば写真や映画などの発展によって、絵画などの持つ意味や位置付けが変わってきている。 ただ、「視覚によって何かを相手に訴える」という本来の目的は変わっていない。 その中で、自身の目指すべきものを確かにすることは尤も基本的な姿勢だが、その方法は、時代により、相手により、時により変わってくる。 そうしたスタイルを作るときに、やはり、自分の伝えたいものを言葉で、イメージで、少なくとも自分では持っているようにしたい。
(小坂丞治 東京都)