2022年1月22日定例研究会「『アートがわかると世の中が見えてくる』~ビジネスに活かすアートの力~」レポート

2022年1月22日に開催した定例研究会「『アートがわかると世の中が見えてくる』~ビジネスに活かすアートの力~」のレポートです。

明治大学の阪井和男先生の授業で使われているアンケートフォーマットを使用し、参加者の皆様のご感想を収集しています。今回ご紹介するのは、掲載許可のあった方から、事務局で数名選んで掲載しております。

3つの質問
1: [事実としての根拠]得られた新しい知識 ※今回知ったことをまとめます。聞いた言葉を使って「根拠」を明示してください。
2:[自己の振返り]浮かび上がってきた課題 ※自分ごととして「振返り」ます。浮かび上がってきた自分の課題を書いてください。
3:自由記述欄です。ご自由にご記入ください。

  1. 悲愴でお互いに聞き合うための第一ヴァイオリンと第二ヴァイオリンの入子構造「新しい」ものを作り出すために,背景となる歴史を学ぶ必要がある。 根拠:人間(日本人)の精神構造は過去と大きな違いはない。現在の人が思うことは,過去の人も経験している。過去の人がその結果,どのようなものを生み出したか,流れを理解しなければ,現在の「新しい」を生み出せない。歴史を学ばずに,日本で「新しい」と思ったものを発信しても,歴史的な流れを知っている西洋では「そんなの古い」という見方をされてしまう。
  2. 自分はバイオ系の学生で,サイエンスコミュニケーションに興味がある。 芸術が「金持ちのもの」になっている,という構造と, 科学が「知識層のもの」「限られた研究者のもの」になっている構造は,どこか似ているところがあると思う。 多くの人に広く,ではなく,「あなただけ」「あなたの作品が好きだから」という,個人と多様性が,今後,日本の工芸や作家さんが生きて行く,一つの形である,という印象を受けた。 この,個人,多様性,と言う点は,科学の見方にも応用が可能なのかもしれない。要するに,社会構造やシステムの話だから,あらゆるところに関係してくるのではないだろうか。考えてみたい。
  3. すごくすごくおもしろかった。芸術・美術は好きだが,個人的興味レベルで,深く踏み込んだことを今まで考えたことがなかった。自分とは別の世界の高尚なものとして存在するようなイメージだったが,芸術・美術,またそれを作る作家さんも,社会というシステムの中に存在しているのだと気づかされる。
    (間瀬輝・岡山大/院/自然科学研究科修士1年)
  1. 【得た感想】現在の国の、「Cool Japan」戦略も、日本市場における(日本国民の)「日本的なるもの」への理解と尊敬の念を育成していかなければ、広がって行かない。だけではなく、その技巧や美術・芸術、文化もいずれしりすぼみになっていく。 【根拠】日本美術の世界的な資産価値、日本の技巧を守る人の数・利益の推移
  2. 物事や人を応援するとき、単に署名やネットでの発信だけではなく、形をとる。 気持ちは形、具体的にはdonateや、出資などを検討し行うことが必要。
  3. 今まで、世界最古の木造建築ということで世界にアピールしようとしていたようなものが多かったように思う。 実際には法隆寺や薬師寺は大好きな建造物だけれど、ベルサイユ宮殿や、エルミタージュなどと比べて、どうしても豪奢さや派手さでは全くかなわないと思っていた。  日本がずっと貧しい国であり、辺境の地にあったことなどである意味独自のものを作ったのだと惟う。それは、実際に精神性の高さと言えるものも多いとおもう。  金が無ければ知恵を出せ。ものの少ない中で、工夫したり思索を深めていったものは数多くあるとおもう。  しかし、それがら必要とされなくなれば、自らの力では存続できない。  日本独自のものがあるとすれば、それは、多くの国民がその背景や意味を知り、大切にする環境を作っていく必要がある。しかもそれは、けして余裕のあることではない。喫緊の課題でもあるはずだ。
    (小坂丞治 東京都)

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