GE時代、事業開発部のメンバーは本当に楽しんで仕事をしている人が多かったです。
かなり厳しい状況でも、楽しめるというのは一種の才能だと思ったことがあるのですが、超赤字企業を買収し、リストラをしながら、新規事業を立ち上げるというプロジェクト最中でもめちゃくちゃ楽しんでいるYさんに、「小さいころからなんでも楽しめるタイプだったの?」と聞いてみたところ、「この仕事をやるようになってから身につけたかなぁ。楽しめるポイントを探して、そこを突き詰める感じ?」という回答がありました。
その晩、夜中まで仕事をしていた私のところに、Yさんがグリコのポッキーを持ってきてくれて、こういいました。
「私ね、辛い時に、ポッキーを必ず食べるようにしているんだよ~。グリコ・スピリットってね、「創る・楽しむ・わくわくさせる」なんだよ。創ることを精一杯楽しみ、創意に満ちたチャレンジを続ける人が、ポッキーを作ってるんだよ。これ食べると、よしっ、この状況でもわくわく楽しめることってなんかないかな??ってゲームをしている気持ちになれるんだよ」
確かに、自分の今までやってきたいい仕事、創造的だった仕事のことを思い返すと、どれも創ることを楽しみわくわくしていたことばかり。面白がって仕事をしたときほど、ものすごく創造的なアイディアが降ってきていました。
Yさんからこの話をしてから、少し後に一緒にプロジェクトをした方が、レオ・バーネット社と一緒にプロジェクトをしていて、レオ・バーネットのこの言葉を教えてくれました。
創造的なアイディアは、遊び心を持った場所でもっともよく育つ。
レオ・バーネット
誰も楽しみのためにビジネスをしているわけではないが、ビジネスに楽しみがないわけではない。
どんな状況でもわくわく楽しめる「かけら」は落ちていないか。
それを探しています。
面白がる、興味をもつ、違う切り口で考えてみる。
これをする上でとても大切なのが、「余裕を持つこと」です。
時間に追われていても、必ず1日10分の瞑想の時間をとって、自分の中に余裕の空間を作りだすことも心がけています。
戦略・事業開発コンサルタント、声楽家、アート思考研究会代表幹事
イリノイ大学在学中に、世界初のウェブブラウザ―であるNCSA Mosaicプロジェクトに参加後、世界初の音楽ダウンロードサービスやインターネット映画広告サービス等の数多くの新規事業を立ち上げ、インターネット・エンジニアのキャリアを重ねる。ボストン・コンサルティング・グループの戦略コンサルタント、GE Internationalの戦略・事業開発本部長、日本IBMの事業開発部長を歴任。2012年に独立し、戦略・事業開発コンサルティングを行う会社Leonessaを設立。明治大学サービス創新研究所客員研究員。声楽家としても活躍し、TV朝日「題名のない音楽会」では「奇跡のハイヴォイス」と評される。国際芸術連盟専門家会員。
子どもの不登校をきっかけに、大学で心理学を学び、認定心理士、不登校支援カウンセラー、上級心理カウンセラー、Therapeutic Art Life Coachなどを取得、心のレジリエンスとアート思考の融合を模索中。
著書
- 『ミリオネーゼの仕事術【入門】』
- 『自由に働くための仕事のルール』
- 『自由に働くための出世のルール』
- 『考えながら走る』など多数。