朝やけ小やけだ大漁だ…何万のいわしのとむらいするだろう

はじめて金子みすゞさんの「大漁」を歌った時、この曲をどう歌うかとても悩みました。

魚にとっての大漁は、たくさんの死であり、大漁を祝うのはいわしの弔いでもあるということ。

生と死を違う立場から見た時に、喜びでもあり、悲しみでもあり、表裏一体なのだと気づかされた曲。

この金子みすゞさんという人は、とても若い時から、世界を両方のレンズで見る人だったのだなぁと複雑な思いを持ったのがこの「大漁」でした。

私は人の立場で歌うのか、それとも魚の立場で歌うのか。それとも、その両方を見ている仏の立場で歌うのか。

いろいろと歌い分けながら、最終的には、一歩引いた仏の立場で歌ってみるようになったのですが、はたしてそれで正解なのかどうなのかは未だにわからないです。

そして、金子みすゞさんが生きていた時代の漁であれば、一匹残らずしっかり食べただろうけれど、飽食の現代、大漁であればあるほど、目的以外の魚も釣れるだろうから、2割?それとも3割は確実に廃棄されてしまうでしょう。

その時の魚の気持ちもきちんと表現するのが、現代の歌い手の仕事なのかもしれない。

そんな風にも思うのです。

正しい答えなぞどれだけ歌っても見つからないのだけれども、どんな意味があるのだろうか、どういう風に歌えばいいのか、それを探し求めている時間は、とても大事な時間だと思っています。

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