摩擦により火花が散り、火花が創造的な大火を引き起こす

ダイバーシティの問題が議論されるときに、必ず出てくるのが、異質な才能や知識、スキルを持つ多様性あるメンバーがいる組織の方が創造的な成果をあげやすいという話です。

とはいえ、多様なメンバーをそろえればいいというわけではなく、創造的摩擦が起きるような仕組みも不可欠です。

ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビューの『創造性を導くリーダーシップ、その源泉を解き明かす』では、イノベーションの創出に向けて、次の3つの発見主導型の仕組が必要だとしています。

対話や議論を通じてアイデアを生み出す「創造的摩擦」、迅速に対応して実験的に進める「創造的敏捷性」、そして、ときに正反対のアイデアをも組み合わせる意思決定の能力である「創造的決断」が必要である

ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビューの『創造性を導くリーダーシップ、その源泉を解き明かす

集団創造マネジメントの方法論は、研究が進んでおり、ハーバード・ビジネススクール名誉教授のドロシー・レナードとタフツ大心理学部名誉教授のウォルター・スワップによる『創造の火花が飛ぶとき』にも詳しく書かれています。

この本が面白いと私が思ったのは、個々のメンバーが創造的でなくても、どのグループよりも創造的になることができるという信念から研究をスタートしたという点です。

グループの創造性のプロセスには、一連の段階を通じて管理する必要があり、いずれかの段階を怠るとプロセスが深刻に阻害されるということを主張しています。条件が正しければ、誰もがグループの創造性に貢献できるけれども、条件が正しくなければ、個人の創造性は破壊されるか、抑制される可能性があるということを指摘しており、単に多様なメンバーが集まれば、創造性の火花が生まれるわけではないということがわかります。

創造性は学習可能なプロセスであるということを説いている点も、非常に共感が持てました。

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