心の感覚の磨き方(3)好きなこと・嫌いなことを100個書き出す

自分との気持ちになかなか気付けないという人は、自分が絶対にやりたくないないことや嫌いなこと、その反対の自分が絶対やりたいこと、好きなことを書きだしてみましょう。

私は100個を目安に書き出します。

なぜ100個かというと、100個書くとなると、50個過ぎたあたりから、ものすごく考えたり、思いだしたりしないといけないので、自分が普段気づいていなかった自分の気持ちに出会えるからです。

私は毎年、手帳を翌年版に変えるタイミングで、やりたいこと(好きなこと)、やりたくないこと(嫌いなこと)を手帳に書き出しています。

どちらから書いてもいいと思いますが、私は嫌なことから書きだしています。

それは、自分の中にある嫌なものを全部出して、それに対してどう向き合うかを決めたら、心がすっきりするから。すっきりした気分で好きなことを書く方が、自分の心のアンテナが高くなる気がするからです。

実際に書いてみよう!

書いているレベルは気にせず、どんどん書きだすことがポイントです。

例えば、私のリストをちょっとだけご紹介すると・・・

嫌いなこと・やりたくないこと
  • 肌触りの悪い服を着ること
  • はずれている音のピアノ
  • 無駄な会議をダラダラと続けられること
  • 同じ企画を何度もくり返しやること
  • 雨の日に18キロを越えた娘を抱っこして傘をさすこと
  • 他人に責任をなすりつける人と一緒に仕事をすること
  • わたしの家のやり方に難癖をつけてくる人と会話すること
  • お気に入りの服にシミがつくこと
  • 悩んでも仕方のない事を延々と悩み、愚痴しかいわない友人が自宅にきて何時間も居座ること
  • テレビで子どもが亡くなるニュースの後、亡くなった子どもの家族についてワイドショーやネットでいろんな人が批判的に話題するのを見ること
  • ムスメが何時間も寝ずにぐずってること
  • 狭い空間にいること
  • 彩りが少ない食事を食べること

このように、レベルはまったくあっていませんし、カテゴリーも家庭・ビジネス・音楽と様々です。

嫌いなこと、やりたくないことを書きだしたら、必ず整理する

やりたくないこと、嫌いなことを書きだしたら、以下の軸で整理します。

  • 自分のこと
  • 大切に思っている人のこと
  • 他人のこと

この3つの軸で整理するのは、自分で変えられるものと、変えられないものを整理するためです。自分のことでいやな事は変えられる可能性があるけれど、他人のことはまず無理ですから、「これは私がかえられないもの」と心の中で線を引き、できるだけ見なくてすむようにします。

また、何故嫌だとおもうのか、やりたくないのかも考えます。

感情的に「嫌だ」と思ったけれど、その背景には自分がそう思うに到った理由があるはず。

理由が見つからなくても、「これは何だかんだ分からないけれど、嫌だった」とラベルをつけておく事で、「これが理由だったんだ!」とある日思い付くこともあります。

なんとなくほって置くけれど、意識の何処かには置いておく感じです。

好きなこと・やりたいこと

次は、好きなこと・やりたいことを書きだしてみましょう。

好きな本、マンガ、音楽、映画、人、場所、食べ物、服、色、スポーツ…。

思いつくまま、どんどん書き出します。

そして、「なんでそれが好きなんだろう?」「なんでそれがやりたいんだろう?」と考えて、自分の「好き」を掘り下げてみましょう。

いくつかに共通のするものがあるはずです。それがあなたの好きを発展させるポイントです。

「嫌いなこと」から好きのヒントを得られることもあります。

例えば、わたしは、演奏することが好きですが、同じ企画で同じ演目での演奏会は1回しかやりません。以前、ミュージック・ディレクターに「同じ演目でやったほうが、ビジネスになるのに、なんでやらないの?」と聞かれて、考えたのがきっかけです。

私は、コンサートを企画し、企画をしながら、作曲家について学んだり、自分が好きだと感じている世界観を作っていくことが好きです。どの順序で演奏すればその世界観がもっとも伝わるか。それを考えるのもすごく好きです。そして、一度その世界観を演奏会という形でつくってしまうと、自分のなかでは作った世界は終わった事になり、次の世界を作りたいという欲求がわいてきて、それを追い求めていきます。

この自分がやりたいと思う気持ちが、同じ企画をやりたくないという嫌いなことに繋がっているのです。

知的な好奇心や自分が思ひ浮かべる世界感を作っていくことのほうが、演奏をビジネスとして成り立たせることよりも、優先順位が高いのだと、気づくときっかけになりました。

自分の好き・嫌いを明確にすることで、心が揺れ動く瞬間に気づきやすくなります。好き・嫌いの理由も明確にしておくことで、次に自分が好きなもの・嫌いなものに出会ったときに、「私はこれが本当に好き・嫌いな理由だったんだなぁ」と自分の好き・嫌いを掘り下げることにもつながります。

自分の心の感覚を磨くことにつながっていくので、ぜひみなさんもやってみてください!

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