700名の応募があったプロシェアリングサービスを運営するサーキュレーション様が主催したアート×デザイン思考のウエビナーのダイジェスト動画とレポートが公開されました。参加者の名簿を見るとほとんどが金融から自動車メーカー、電機メーカー、保険会社など聞いたことのある大手企業ばかりでアート×デザイン思考に対する注目度が感じられました。
このウエビナーでは企業向けに行っている社員研修や一般社会人向けのアート思考オンラインセミナーの内容、またアート思考×デザイン思考×ロジカル思考を統合するクリエイティブ・マネジメントの組織論について話しています。
アート思考はアーティストの創造性をビジネスに活かす事で新規事業を生み出す思考法ですが、実際に新規事業開発にどのように実装するのか?この疑問に対して、他のいくつかのアート思考セミナーでは、社内に絵を飾る事を提案したり、絵画の対話型鑑賞、実際に絵を描いてみる。または、企画会議でアーティストとの壁打をする、、などの方法が提案されていますが、それらのセミナーに参加した受講者が言うのは「はー。それで?」といった感想です。もちろん、絵画の深い鑑賞(対話)によって感性は刺激されますし、芸術に触れる事で感性を働かせることは人生を豊かにします。
ただそれだけでは、ある意味アートの啓蒙活動の様で、結果的に新しいビジネスやイノベーションに具体的にどうむすびつくのか?という点で、どうも腑に落ちない。。という感想をなんどか聞きました。
ロジカル思考やデザイン思考に並ぶビジネス上での思考フレームワークとしてのアート思考を説明する上では作品の対話型鑑賞だけでは十分に伝えきれていないと私は思います。また、企画会議にアーティストの視点を入れて拡散思考のブレストをするのも一つの方法ですが、問題はその意見を実際にどう活かすかとなるとファシリテーションの技術の方が重要になります。
絵画の対話型鑑賞やアーティストとの壁打ちの共通点はアートが外にあるという事です。私はこれを外在的アート思考と区別しています。本来のアート思考は内発的動機から新しい価値を生み出すものだと思います。自らが発想の元になりナラティブな物語を生み出していく、つまり主体は自分自身です。だからこそアート思考では「自分軸」の「問い」を重視します。
私の講義やワークショップはアーティストの脳内でどのような経緯で表現やアイデアが生まれるか?自分自身が作品を生み出す時、ビジネスのアイデアを生み出す時、どんな思考をしているかを可視化した方法をとっています。
私のセミナーや講義のでは私自身の経験から
・なぜアート思考が必要なのか?その本質的な理由と社会的な背景から説明している。
・創造性やひらめきを生み出す脳内の働きをシュミレーションしてクリエーターの発想を受講者がその場で体感できる。
・アート思考だけでなくデザイン思考、ロジカル思考のバランスが大切であること=クリエイティブ・マネジメント。
・全員がアート思考(創造性)を持っているが、全員アート思考になる必要はなくロジカル思考やデザイン思考のそれぞれの人才がうまく融合した組織でないと新規事業は生まれない。
など、実装可能なものとして説明した上、アート思考をどの様に現場で活かしたか自分自身の実践経験からお話ししています。
また、ビジネスシーンでの活用においては組織論も必要です。いかにアート思考の人才がいても、その人を活かすことができる組織でなければ新規事業は生まれません。
【イベントレポート】デザイン思考×新規事業 ―10年先を見据えた事業を生み出せる組織へ変革する3つのポイントとは?では、そのエッセンスを凝縮させ、より具体的にアート×デザイン思考をいかに組織に実装するかについて詳しく話しています。
Contents
❶なぜ今、新規事業でデザイン思考が必要とされているのか
1.1ユーザーニーズは「モノ売り」から「コト売り」、さらに「社会意義」へ
1.2新規事業の投資コストが低減された今こそ有効な「デザイン思考」の意味とは?
1.3デザイン思考を経営戦略に取り入れた企業は成長傾向
❷アート×デザイン思考を活用した新規事業事例
2.1常に時代の最先端を探り、10年先まで見据えた新規事業を立ち上げてきた柴田氏
2.2【事例1】2006年に自動車メーカーで立ち上げた、iPodと車を
「つなげる」新規事業
2.3【事例2】地域経済分析システム「RESAS」の開発
❸10年先を見据えた新規事業を生み出す組織への変革ポイントとは?
3.13つの重要な思考法「クリエイティブ・マネジメント」
3.2新規事業を生み出し続ける組織に必要な3つのキーファクター
3.3創造的組織へのロードマップ
❹デザイン思考×新規事業まとめ
といった内容について話していますので、アート×デザイン思考で新規事業を生み出したい方は是非、参考までに見ていただければと思います。
1966年生まれ、日本大学芸術学部 演劇学科卒業。
アート×デザイン思考講師/ トヨタ自動車から内閣府まで新規事業開発専門のフリーエージェントを経て公益代理店 一般社団法人i-baを設立。熊本大学「地方創生とSDGs」/京都芸術大学「縄文からAIまでのアート思考」非常勤講師。地域デザイン学会 参与。FreedomSunset@江ノ島主催。DJ/トランペッター。逗子アートフェスティバル2017・2020プロデューサー。
◆アート×デザイン思考入門と実践
アート思考の入門編と実践編をスキルシェアサイト「ストリートアカデミー」でZOOMによるオンライン開催をしています。
◆いつでも学べるUdemyのオンライン講座
2時間を超えるアート×デザイン思考のセミナーをオンライン学習サイトudemyに公開しました。
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