「心物融合」を検索しましたが、でてこないのでたぶん私の造語なのですが、文字の通り物と心の融合を意味しています。既存の言葉で言えば、心と体となりますた”心身一如”が近いかもしれません。
心と物が融合するという概念は例えば物に心が宿るという考え方で、太古では縄文土器に見る事ができます。道具である土器に顔があります。
物に魂が宿る、あるいは物を擬人化するという思考はこのほかにも「土偶を読む」の著者 竹倉 史人氏は土偶は形は植物や貝類の精霊をかたどったものだと主張しています。これが現代においてはご当地キャラクターになっているといいます。
現在の日本が世界に誇れるものの1つにアニメーションがあります。
日本のTVアニメ史で戦闘合体ロボットの元祖と言えば「マジンガーz」です。
日本以外にイタリアやヨーロッパでもでも放映され、スペインでは視聴率80%を稼ぎマジンガーZの像があります。マジンガーZは、ロボット(魔神)と人との融合で、物と人との融合と同時に神と人の融合でもあります。
この他にも世界的に注目を集め、ハリウッド版実写版でリメイクもされた「攻殻機動隊」では主人公の半分義体(サイボーグ)化された主人公の草薙素子が政治テロに立ち向かうサイバーパンクなアニメですが、内面的なテーマは機械と人間の融合です。自らが情報の海で発生した、肉体の存在しない生命体プロジェクト2501と草薙素子が融合して最後のシーンでは「ネットは広大だわ」といって情報生命と融合し新しい肉体を手にいれた草薙のシーンで終わります。
また、最近完結したエヴァは機械というよりは人造人間とされていますが、主人公のシンジとの融合(シンクロ)によって起動します。
日本アニメの中でも世界的にヒットにつながっている作品の背後にはモノとヒトの融合が垣間見れます。
もっと身近な例を挙げてみましょう。自動販売機に時々お礼を言われる事はありませんか?また、自宅の湯沸かし器は「オフロガワキマシタ」と言葉で教えてくれます。これも擬人化といえます。
これらの意味するところは偏在する神々つまり八百万のから来るのではないかと思うのです。
一神教的でない頃の日本の神、つまり仏教以前は自然崇拝や八百万の神々といった偏在する神に対するアニミズム信仰でした。実は日本人の根底にはこの信仰が根強く残っているのではないかと思うのです。
一神教的な中央集権的な社会に対し、並列分散型の社会が重視されていくなかで、日本人が古来から持っている偏在する神々の概念や縄文式土器からアニメに至る日本人独特のモノヒト観はこれから人工知能が急速に進化していくなかでモノとヒトを結ぶ重要な要素になっていくと思っていて、これを日本人のアイデンティティーとして再考すること、さらにはその媒体としてのアートの役割も重要なのではないかと思います。
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1966年生まれ、日本大学芸術学部 演劇学科卒業。
アート×デザイン思考講師/ トヨタ自動車から内閣府まで新規事業開発専門のフリーエージェントを経て公益代理店 一般社団法人i-baを設立。熊本大学「地方創生とSDGs」/京都芸術大学「縄文からAIまでのアート思考」非常勤講師。地域デザイン学会 参与。FreedomSunset@江ノ島主催。DJ/トランペッター。逗子アートフェスティバル2017・2020プロデューサー。www.street-academy.com/steachers/95580