私のコンサートにお越しくださったお客様から、「今回のコンサートもとっても斬新だったけれど、インスピレーションはどこからわいてくるの?」とよく聞かれます。
「毎日、自分が作り続けたい、歌い続けたいと思いながら、きちんと生活をしていると、空から突然降ってくるんです。私はそれが降ってくるまで、降ってくる日を信じて待ち続けて、降ってきたときに、ちゃんとそれをキャッチできるように、心を研ぎ澄ましているだけなんです」と、私は毎回答えています。
必ず降ってくると私が自分を信じられるのは、「きちんと生活をしている」っていうところに集約されているのですが、いろいろなところにアンテナを張って、面白いといろんなことに興味を持ってみたり、ふれたり、読んだり、経験したりしながら、日々の音楽と向き合い、練習を怠らない。ただそれだけなのですが、自分の興味の振れ幅が大きい時は、インスピレーションが降っているのに、それをキャッチできなかったりするので、キャッチできるように網を張っておくという作業も大切。具体的に何をしているかというと、繰り返し自分の前に出てくるキーワードや感覚のようなものがないか、それをノートに書き留めているのです。
エリザベス・ギルバート著『BIG MAGIC 「夢中になる」ことからはじめよう。』に、今日の言葉が出てくるのですが、私にはすごくしっくりきました。
「インスピレーション」は、ここではない別の世界からやってくるので、言葉もまるっきり違い、理解しあえないときがあります。それでも、「インスピレーション」は私の横に座って、努力してくれています。
『BIG MAGIC 「夢中になる」ことからはじめよう。』 p.248
いつも何かを作り出そうと、自分の横にいてくれる「インスピレーション」。
それを信じることの大切さ。
そのためにちゃんと日々努力していることも大事なのだと、エリザベス・ギルバートの話からも分かります。
インスピレーションが来てくれるために、あなたはどんな毎日を過ごしていますか?
戦略・事業開発コンサルタント、声楽家、アート思考研究会代表幹事
イリノイ大学在学中に、世界初のウェブブラウザ―であるNCSA Mosaicプロジェクトに参加後、世界初の音楽ダウンロードサービスやインターネット映画広告サービス等の数多くの新規事業を立ち上げ、インターネット・エンジニアのキャリアを重ねる。ボストン・コンサルティング・グループの戦略コンサルタント、GE Internationalの戦略・事業開発本部長、日本IBMの事業開発部長を歴任。2012年に独立し、戦略・事業開発コンサルティングを行う会社Leonessaを設立。明治大学サービス創新研究所客員研究員。声楽家としても活躍し、TV朝日「題名のない音楽会」では「奇跡のハイヴォイス」と評される。国際芸術連盟専門家会員。
子どもの不登校をきっかけに、大学で心理学を学び、認定心理士、不登校支援カウンセラー、上級心理カウンセラー、Therapeutic Art Life Coachなどを取得、心のレジリエンスとアート思考の融合を模索中。
著書
- 『ミリオネーゼの仕事術【入門】』
- 『自由に働くための仕事のルール』
- 『自由に働くための出世のルール』
- 『考えながら走る』など多数。