エジソンは、「失敗すればするほど、我々は成功に近づいている」、「私は失敗したことがない。
ただ、1万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ。」など、失敗をすることを是とし、やり続ければ成功するということを常に言っていた人だったそうです。
そのエジソンが作った会社にも関わらず、ジェフ・イメルトが「失敗は優れた学習ツールだが、最小限に抑える必要がある」と言っていたことに、私はとても興味を覚えました。
事業開発の仕事の95%は失敗に終わるので、失敗して当たり前。
失敗しても、新しい事業で売上を作りだす方法を考え、動き続けなければならない。
そんなふうに、GEの事業開発のメンバーは言われて育てられていたので、このジェフの考え方に共感を覚える人、違和感を覚える人、そして、私のように興味を持つ人。リアクションはさまざまで、それぞれのリアクションについてディスカッションをしたこともあります。
この時に出てきたのが、成功体験のない人は、失敗をし続けるとメンタルにつぶれてしまう、ということ。
どんな小さなことでもいいから成功体験を持っていないと、失敗、失敗、失敗、の先の成功の味がわからないので、どんどんモチベーションが下がってしまい、モチベーションが下がってしまうと、できるものもできなくなるので、より成功から遠ざかってしまうのです。
この時から、私はチームメンバーでも事業開発に入って歴の浅い人には、特に、成功が見えているプロジェクトにアサインするように考えるようになりました。
早いタイミングで小さな成功を手にした人ほど、その後の失敗から得る学びを糧に、次の成功に進んでいける。だから、「失敗は最小限に抑えないといけない」と表現したのでしょう。
戦略・事業開発コンサルタント、声楽家、アート思考研究会代表幹事
イリノイ大学在学中に、世界初のウェブブラウザ―であるNCSA Mosaicプロジェクトに参加後、世界初の音楽ダウンロードサービスやインターネット映画広告サービス等の数多くの新規事業を立ち上げ、インターネット・エンジニアのキャリアを重ねる。ボストン・コンサルティング・グループの戦略コンサルタント、GE Internationalの戦略・事業開発本部長、日本IBMの事業開発部長を歴任。2012年に独立し、戦略・事業開発コンサルティングを行う会社Leonessaを設立。明治大学サービス創新研究所客員研究員。声楽家としても活躍し、TV朝日「題名のない音楽会」では「奇跡のハイヴォイス」と評される。国際芸術連盟専門家会員。
子どもの不登校をきっかけに、大学で心理学を学び、認定心理士、不登校支援カウンセラー、上級心理カウンセラー、Therapeutic Art Life Coachなどを取得、心のレジリエンスとアート思考の融合を模索中。
著書
- 『ミリオネーゼの仕事術【入門】』
- 『自由に働くための仕事のルール』
- 『自由に働くための出世のルール』
- 『考えながら走る』など多数。