高校の修学旅行で、イギリスに行ったときに、マイフェアレディの舞台を見ました。
舞台を見るまえに、マイフェアレディの原作となったジョージ・バーナード・ショーの戯曲「ピグマリオン」と、ショーがタイトルにしたギリシャ神話(ブルフィンチ版)のピュグマリオンについて読むようにという宿題が出て、修学旅行に向かう飛行機の中で必死に読み、レポートにまとめました。
当時、ビビアン・リーに傾倒していた私は、ショーの作品は、『シーザーとクレオパトラ』(ビビアン・リー主演で映画化)しか読んでいなかったのですが、修学旅行中、ロンドン市内を回っていたときに、先生からショーがロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの創設に奔走し、経済学の発展に貢献した話を聞き、芸術家の顔以外の顔を持つことにとても興味を持ち、帰国後図書館からショーの作品を次々と借りていきました。
他の人の作品に刺激されて、自身の作品を作ることも多かったショー。モーツァルトのドン・ジョヴァンニをモチーフに『人と超人』を、イプセンの『人形の家』に刺激を受け『キャンディダ』を、チェーホフの『桜の園』に刺激され『傷心の家』を書くなどしています。私のおススメは、両方の作品をあわせて読むこと。ショーがどこに刺激を受けたのかなどを考えながら読むのがとても楽しいです。
ショーはなくなるまでに、53本の戯曲を残し、1925年にはノーベル文学賞も受賞しています。生涯作品を作り続けてた彼は、たくさんの創造に関する言葉を残しています。今月は、ショーの言葉をご紹介します。
空想とは創造の始まりである。
自分が望むものを空想し、
ジョージ・バーナード・ショー
次にそれを望み、
そして最後にそれを創造する。
高校の修学旅行で、飛行機を待つ時間に、先生から教えてもらったこの言葉。
空想することが創造の始まりだから、私はいつも、こんな事業を作りたい、あんなサービスを作りたい、こんな舞台を創りたいと空想し、妄想しています。
空想しながら手を動かしていくと形になる。
そして、私もショーのように、いろいろな作品に出合うことで、刺激を受けているのだなぁと思います。
戦略・事業開発コンサルタント、声楽家、アート思考研究会代表幹事
イリノイ大学在学中に、世界初のウェブブラウザ―であるNCSA Mosaicプロジェクトに参加後、世界初の音楽ダウンロードサービスやインターネット映画広告サービス等の数多くの新規事業を立ち上げ、インターネット・エンジニアのキャリアを重ねる。ボストン・コンサルティング・グループの戦略コンサルタント、GE Internationalの戦略・事業開発本部長、日本IBMの事業開発部長を歴任。2012年に独立し、戦略・事業開発コンサルティングを行う会社Leonessaを設立。明治大学サービス創新研究所客員研究員。声楽家としても活躍し、TV朝日「題名のない音楽会」では「奇跡のハイヴォイス」と評される。国際芸術連盟専門家会員。
子どもの不登校をきっかけに、大学で心理学を学び、認定心理士、不登校支援カウンセラー、上級心理カウンセラー、Therapeutic Art Life Coachなどを取得、心のレジリエンスとアート思考の融合を模索中。
著書
- 『ミリオネーゼの仕事術【入門】』
- 『自由に働くための仕事のルール』
- 『自由に働くための出世のルール』
- 『考えながら走る』など多数。