【私がアート思考になったワケ:②高校生アート集団】

【私がアート思考になったワケ:①反社会的高校生】のつづきです。

社会への「問い」
なぜ世の中の大人があれほどまでに愚かなのか?
愚かな世界がなぜ生まれたのか?
その世界は神が創ったのか?
それとも人間が神を作ったのか?
私はその人間達と同じなのか?
その人間とは何なのか?
何の目的で生きているのか?
私は何なのか?どこから来て、どこに行くのか?大人とは?社会とは?

という思考が高校生の私の頭を常に巡っていました。

この「問い」こそがアート思考が始動する原動力だったのです。

学校教師含め思考停止した大人は全て死ねばいいと思ってましたし、サラリーマンは社会に従属する無能な人間の集団として卑下していました。くだらない大人が作った義務教育というシステムに属することは、同族化することであり、最も避けなければならない生きる課題でした。

高校生アート集団”暇団激割”

いつしか総勢30名ほどの高校生アート集団”暇団激割”が発足します。入賞する気もなくバンドコンテストに出場しコピーバンドをあざ笑うかのような奇行を続けているとファンも増え始め東京から遠征に来たレベッカやバービーボーイズ、じゃがたら等当時のインディーズバンドの前座のオファーが来るようになります。

これは当時のライブ音源です。

この時自分は顔にパックを塗って、それをボロボロ剥がしながらステージ上を歩きまわり、それを掃除するメンバーがいて、詩の朗読とひたすらバイオリンを狂った様に弾きまくるメンバーなど総勢8人くらいがステージ上で好き勝手していました。詞はウイリアム・S・バロウズのカットアップ(テキストをランダムに切り刻んで新しいテキストに作り直す)を用いています。演奏終わりから拍手までの静まり返った無音の時間と司会の「まさか終わったんじゃないでしょうね」に勝利を実感しました。

世界トイレ化計画

 また、作品制作やインスタレーションも行っていました。デスマスクを作るために石膏に顔を埋め型取りをした時、石膏に直接顔を浸けた為、石膏を剥がした時に眉毛とまつ毛が抜け落ちるなど、無謀な作品制作や、本物の洋式便器を町中に持ち出し「世界トイレ化計画」と題したインスタレーションを行いました。トイレこそが平等!男と女を隔てる壁を壊せ、金持ちも、貧乏も男も女も身分や性差を超えて同じポーズで行為をする公平な場を公に解放する!便器を置いた瞬間、世界は平等になる!と訴える「世界がトイレになればいい」という思想のゲリラ的なインスタレーションでした。そんなことを続けていると金沢の音楽シーンやアートシーンではちょっとは名の知れた高校生になります。金沢美大の学園祭からも出演依頼が来ました。デュシャンの「泉」を持ち歩く高校生?!とでも思ったのでしょうか?私たちはデュシャンを知らなかったし、全く違う文脈でした。

高3の頃には地元のラジオ曲からレコーディングの話も持ち出されますが、実際のところ表現行為にこそ意味があって、音楽で有名になりたいという思いが希薄だった事や大学受験もあり暇団激割は解散する事になります。今思えば作品が評価される事や、音楽が売れることが目的ではなく、ただ好きなように社会への苛立ちを表現する。それが無能な大衆に対抗する術だったのです。

当時の高校生アート集団”暇団激割”の団長であった私のあだ名は柴狂(シバキチ)でした。キチガイの狂です。多感な高校時代の社会批判的精神が今に受け継がれ、私のアート思考の下地となったのではないかと推測されます。そんな私がよくもトヨタ自動車や内閣府の新規事業や大学の非常勤講師をやれるようになれたものだ、、、と思います。

つづく

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