「自分だけの答えを見つける「アート思考」体験講座」の体験記(4)

早稲田大学日本橋キャンパス WASEDA NEOで開催されている『13歳からのアート思考』の著者、末永幸歩さんが講師をつとめる、「自分だけの答えを見つける「アート思考」体験講座」に参加しはじめました。

全6回のコースで、2020年9月10日からスタートしたものを、6回に渡り、体験記としてレポートしています。今回は4回目です。

講座の概要

自分なりの視点で物事を捉えて、自分だけの答えをつくりだす「アート思考」を、作品鑑賞を通して身につける体験型講座

WASADA NEOウェブサイトより

アート思考とは何か。

アート思考について学びを深めるために、ミニワークやグループディスカッションを通じてインタラクティブに学ぶ講座です。

セミナーの流れ

前回の宿題「鑑賞者と50:50でつくりあげる、天気の絵」を提出した人達で、グループに分かれてディスカッション※を行いました。


※未提出の場合は、割り当てられたグループメンバーの作品に「(鑑賞者からの)100文字の物語」を作成する部分のみ参加

順番としては、まず鑑賞者側からディスカッション前に即興で作成した「(鑑賞者からの)100文字の物語」を説明するとともに、受取ったイメージを製作者に説明しました。

その後で、製作者側から表現したかった思いが語られ、お互いに意識の枠の外にある気付きを得るワークショップとなりました。

講座の感想 あなたはどこの天気を見たいですか?

今回はワークショップよりも、個人の宿題”鑑賞者と50:50でつくりあげる天気の絵”というのはどういう絵なのか?に悩まされました。(末永さんから詳細な説明や指示はありませんでしたが、チャレンジとして)

上手な絵を描くことを目指す講座ではないので”鑑賞者と作り上げるコンセプト作りが重要”と考えました。

私が考えたコンセプトは3つ。

  1. 天気とは移り変わる
  2. 同じ天気でも朝と夜ではイメージが異なる
  3. 1と2を鑑賞者が自身で考えられるための空白を用意する

このコンセプトを満たすイメージとして最初に浮かんだのが「旅行中の飛行機内で暗くなった時に窓を覗いた時の地上の天気」でした。

”鑑賞者が思考するための空白”を表現するため、天気以外の描画情報はできるだけ控え目にするという考えから影が多い図が好ましいと考え、また飛行機という「高い位置から広い範囲を見渡すと、雨雲が移動して晴れの部分も雨の部分も同時に描けて天気の移り変わりを表現できる」と考えました。

ただ最終的には別のイメージ「宇宙から見た地球を目の前のスマホでくるくる回して見る天気」としました。

きっかけはGoogleで天気の画像検索をしている際に、”天気=無意識に地球の天気という前提がある”と感じたからです。

そこで地球であらためて画像検索するとNASAの動画が見つかり、朝昼夜と切替わる地球の姿もしっかり描かれていて、”同じ天気でも朝と夜とではイメージが異なる”を表現できると感じたからです。

またコンセプト以外に”絵を描くツール”もにもチャレンジし、iPad+Adobe Photoshop Sketchで描くことを挑戦してみました。

Zoomで即興で絵を描いて共有する場合には、アナログの絵で共有するのは難しいと考えたからです。

例えば紙に色鉛筆などで描いた絵は「デジタル変換に時間がかる」「写真で共有すると写り方で汚くなる」で不向きでした。

そんな様々なチャレンジのせいで、クラスが始まる1時間前まで描いて、時間切れで提出することに。

色付けって難しいですね、最終的な見た目が中学生の美術の作品のようになりました(苦笑)(鑑賞者が物語を作る際に影響を及ぼさないよう)絵に題/説明は付けませんでしたが、心の中では「題:あなたはどこの天気を見たいですか?」と付けていました。

著者が提出した宿題の絵

ワークショップ ディスカッション相手との視点の違い

今回のディスカッションで得た「私の絵について鑑賞者からの感想」は想定内のものでしたが、私の絵から”天気を見るを越えて、天気を自分の好きなように変える”というイメージが得られたとの反応は、自分の思考の枠を越えて面白いと感じました。

またディスカッションした私と相手の絵を描く視点の対比が面白く、「同じ天気でも、私は地球の外から地球の天気を見ているのに対し、相手のイメージは地球の内から地球の外の天気を見ている、という見ている方向が真逆という対照的な絵の具見合わせ」という点についても、新しい発見となりました。

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