【間違える事から生まれる可能性】

アート思考の強い大学生の起業家と一緒にZ世代向けのイノベーター養成コミュニティーのセミナー構築をしていますが、黙って見ていると、どう考えても単なる思いつきで、方向性から逸脱した挙動や、人から誤解を受ける様な方針を提案してくる事があります。経験値がないので当然起こり得る事です。その時に私が悩むのが、転ばぬ先の杖を出すか、ギリギリで失敗に気づかせるか、失敗させるか、、、などのパターンがあります。
私はなるべく、失敗するのを見守る様にしています。失敗して学ぶのと、失敗せずにやり過ごすのでは経験値に大きな差が出ます。もっとも、相手が折れない人格を持っている場合のみ有効で、全ての人に当てはまる手法ではないかもしれませんが、失敗の中から思わぬ「新しい答え」が生まれてくる可能性もあります。
経験値を頼りに間違わなくなった、あるいは不確実性を恐れ最適解しかだせなくなった、あるいは思考停止して判断すらできないサラリーマンに比べると圧倒的な突破力があります。既成概念でしか想像できないより、概念がないから創造できる方がこれからは必要とされる能力だと思っていて、無理と分かっていても否定せず、どうしたいか確認して、それを信じるならやってみたらいい。致命的な障害に至らない場合はなるべくそういう立場をとっています。

アート思考的な人才を活かせる環境はこういった理解が必要だと思っています。
経済が上り調子の時には既存のフォーマットに乗っかれば売り上げは上がるし、成功事例が役に立ちました。経済が成長しなくなった状況で、しかもコロナ禍やウクライナ情勢などから、本当に何が起きるかわからないVUCAの状況が加速しています。そんな中で今まで通り=既成概念でやっていてもマジで生き残れなくなる。となると、子供の様に間違えながら新しい経験を生み出して自分なりの「正解」を作れる人に価値が生まれる。だから平気で間違えられること、つまりトライアルアンドエラーができる人や、ある程度それを許容できる環境がとても重要だと思います。

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