【Cryptovoxels(クリプトボクセルズ)の仮想ギャラリーとNFT】

Cryptovoxelsはブロックチェーン上の仮想世界です。NFTのお店やギャラリーにも注力しているようです。新しい単語だらけなので、ちょっと説明が必要ですね。

Cryptovoxelsとは
百聞は一見にしかず、まずはグラフィティーアーティストshiroさんのギャラリーに入ってみましょう。
スマホでもヴァーチャル空間で作品を簡単に見ることができます。

https://www.cryptovoxels.com/play?coords=SE@607E,434N

仮想空間に展示してある作品をクリックすると銀座の和田画廊のサイトに飛びます。現在、リアル世界の和田画廊にも展示して実物はギャラリーで見て購入することができます。

作家のshiroさんは98年代からスポレー缶でグラフィティー作品を制作しHipHopカルチャーの本場ニューヨークに住み、長きにわたり作品を作ってきました。デジタルと言うよりむしろフィジカルな環境でアーティストを続けてきたshiroさんが180度違うバーチャル展示をしているところにバーチャルとリアルの境界が融合しているのを感じます。

ブロックチェーンとは
ネットワークに接続した複数のコンピュータによりデータを共有することで、分散化されたネットワーク上で過去の取引データの集合体がチェーン上に記録されるため、偽造やデータの改ざんが難しく安全性が高い。とされ仮想通貨の基礎概念になっています。最近イーロンマスクが環境への悪影響を理由にテスラ購入にビットコインを使えなくしたことで、ビットコインが下落して話題になっていました。仮想通貨やブロックチェーンは思想的にはサイバースペースが中央集権的な国家から独立してテクノロジーが新しい民主主義を創る、、みたいな夢がありましたが、結局投資的要素が強く、さらにマイニングにすごい電力がかかり化石燃料を異様な勢いで消費していくというのは、ちょっと時代に逆行ぎみですね。

3D仮想世界
2003年にSecond lifeという仮想世界が話題になりました。コンビューター上の3次元空間にアバター(分身)となって入り込んでお店を出したりアバター同士会話ができます。当時、北米の日産が仮想空間で自動車の自販機をリリースし話題になりました。その件について、当時Second lifeで遊んでいた私にトヨタ自動車担当者から問い合わせがあり、トヨタ独自の仮想空間「メタポリス」の企画を提案しました。

当時の仮想空間Second lifeは同一画面(同じSIM)の中に入れる人数が制限されており、一度にたくさんの人が同時に体験することができませんでした。そこで私はオンラインゲームのプラットフォームを活用して、同じ画面を体験しているように見えて負荷分散する方法で同時アクセス1万人までを実現しました。当時は仮想空間の中でモーターショーを開催して、展示車両もポリゴンデータで緻密に再現されバーチャル試乗もできました。今思えば本当に早すぎましたが、この「メタポリス」はトヨタ自動車の電気自動車やコネクテッド(モビリティー社会)の未来を先取りしていたとも言えます。
3D仮想空間は、その当時から比べると、通信速度もPCの処理能力も向上してCryptovoxelsではスマホでも楽しめるようになっています。

NFT
「Non-Fungible Token」の略。日本語では「非代替性トークン」単純に言えば作品自体を所有することなくデジタルで所有権を持つということです。この所有権をブロックチェーンで証明できるようになっています。NFTの利点として仲介業者が入らないため、アーティストに直接収益が入ってきます。このプラットフォーム内で使用される仮想通貨イーサがアート作品を含むデジタルデータの所有権を保証するというものです。英老舗オークションハウスのChristie’sではイーサでの支払いを受け入れる初のオークションで約75億円の入札となり話題となっています。

というわけで用語の説明ばかりですが、これでもわかりにくいかもしれませんが、ここからは未来妄想です。

精神と身体を超えた未来の妄想
最初の仮想空間Second Lifeから約20年、PCのスペックも上がり、さらに通信速度は90年代OCNエコノミーの128bpsから、現在のOCN光は1Gbps、20年での約7000倍も早くなっています。さらに6Gまでなるとモバイルでも現状の20倍早くなります。そうするとと何が起きるでしょう。極端に言えば人間自体のトランスフォーメーションが起きるでということです。バーチャルとリアルの境界はなくなって自分というものがどちら(オンラインorオフライン )にいるのかが曖昧になるのです。居住空間がネットワーク上になることで身体というものから切り離されある意味で幽体離脱のような状況でネットワークとリアルを行き来します。今までのキーボードを使ったオペレーションはなくなり、高速な神経ネットワークと直結し、神経と同じ速度で身体とヴァーチャルな世界を結ぶようになるでしょう。
つまり、あの世とこの世、精神と身体を超えたライフスタイルが実現します。

ちょっと想像がつかないかもしれませんが、20年前、ポケットにコンピュータ(スマホ)を持ち歩き、常にインターネットに接続している環境を誰が考えたでしょう?

20年後、現実世界とネットワーク上の世界は統合され、現実世界では肉体だけがあり、仕事や余暇、実質的な経済活動の多くの時間をネットワーク上で過ごしている社会が当たり前になり、国家や政治という概念もネットワーク上に再構築される、もしくはそこに分断が起きデジタルな独立国家ができる、、、そんな社会になっているでしょう。

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柴田”shiba”雄一郎
1966年生まれ、日本大学芸術学部 演劇学科卒業。
アート×デザイン思考講師/ トヨタ自動車から内閣府まで新規事業開発専門のフリーエージェントを経て公益代理店 一般社団法人i-baを設立。熊本大学「地方創生とSDGs」/京都芸術大学「縄文からAIまでのアート思考」非常勤講師。地域デザイン学会 参与。FreedomSunset@江ノ島主催。DJ/トランペッター。逗子アートフェスティバル2017・2020プロデューサー。

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