サウンドマップを作ってみよう

生活をしていると日々いろんな音に出会います。しかし、それらは意識していないとただの雑音として通り過ぎてしまうだけ。

聴力に意識を向ける一つの方法が「サウンドマップ」を作ることです。

サウンドマップとは、音を聞き取って紙に書き込んでいくことです。これは子どもと一緒にもできますし、大人1人でもできます。

子どもと一緒にサウンドマップを作る

子どもと一緒にやる場合についてご紹介します。

私は娘が2歳のころから、サウンドマップ作りをやっているのですが、今聞こえた音をまず言葉にしてみます。

「今の音ってどんな風に聞こえた?」

そうすると、「ぴーって聞こえた」と、音自体を再現することが多いです。

「今聞いたぴーって音は、どんなふうに見える?」

「このあいだ言ってたぴーって音と、今日の音はどんな風に違うの?」

こうして、問いかけることで、子どもにどんどん言語化してもらいます。

そして、それを今度は絵にしてみます。

「今いったことを絵でかいてみよう!」

今聞いた音を絵にするときには、画材についても考えるように促します。

「白い紙のほうがいいかな?それとも色のついている紙がいいかな?」

「つるつるの紙がいいかな? それともこっちのちょっとごわごわした紙がぴったりあう?」

「クレヨンがいい?水彩色鉛筆がいい?それともペンがいい?」

音からわいたイメージを言語化した後、それをぴったり表現できる質感の素材を選ぶのです。

そうして、自由に描いたあと、音のイメージ、言葉のイメージ、絵のイメージについて話をしていきます。

「今かいた絵からどんな動物が想像できる?」

「お花だったらどんなお花かなぁ?」

想像できるものを話していきます。

最後に、「さっききいた音がこんなふうにイメージできたねぇ」といって、おしまいにします。

音から言葉、そして絵、そこから違うイメージ。

連想ゲームのようにつなげていくことで、五感を使って、イメージする練習ができます。

大人がサウンドマップを作るやり方

今度は、大人が1人でやる場合です。

私は仕事の合間の駅のホームのベンチや、カフェで、その時に聞こえる音を日記帳に書き留めます。

五感は、ほかの感覚に影響されやすいので、聴覚だけを鍛えたい場合は、目をつぶって視覚を遮断することをおすすめします。

駅のホームでやる場合。最初は、ホームのベンチだと電車の音しか聞こえないのですが、だんだん人の歩く音、新聞を持つ人の紙の音など、いろんな音が聞こえるようになってきます。

顔を見なくても、男の人なんだろうか、女の人なんだろうか、あるいは、お年寄りなのか、若い人なのかなど、想像してみるのです。

正解を求めるのがやりたいことではなく、自分の頭で想像をしてみる練習をしているので、どんなことを想像してもいいのです。

ほんの1~2分の間でも、実にいろんな音を聴き、想像することができますので、日常生活の中にぜひ取り入れてみてください!

パイオニアの音俳句

最後に、ご紹介したいのが、音響メーカーだったパイオニアが(今はファンドの元でカーナビにフォーカス)以前とても素敵な活動を行っていました。それは、音俳句というものです。

日常の音・自然の音を聴き、それを感じて、俳句として表現するのです。5・7・5の世界に言葉を閉じ込めるのが、私には難易度が高くて、私はなかなか俳句を作るところまではいかなかったのですが、サイトに掲載されているほかの方が作られた俳句を読みながら、この人はどんなものを見て、この俳句を作ったのだろう? と、想像するのはとてもおもしろいものでした。

「音の向こうに存在する世界を『言葉の写真』とする」と紹介されているのが、まさにぴったりで、同じ音からこんなにも世界は違って見えるのだと、いろいろな気づきがあります。

俳句がお好きな方は、ぜひ、音俳句にも挑戦してみてください!

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