デザイン思考に興味を持った2018年当時の日本では「デザイン思考は、もはや古典」という雰囲気を感じていました。
そんな“デザイン思考とは何か?”も知らない時に手に取ったのがこの本。
内容の見せ方が面白く、基本的に左ページには写真/アイコン/キャッチコピーを記載し、右ページに250文字程度の横組みの短文で端的に説明するスタイルに、素人でも買って読んで見る気にさせました。
デザイン思考に入る前に、そもそも日本人は “デザインという言葉の意味を誤解していると「デザイン」「デザイン思考」の誤解の解説“から入り、数あるデザイン思考流派でもハーバード・デザインスクールで学んだ「個人の見立てる力」×「未来からの逆算力」をベースに、どうやって0->1思考を具現化して行くのかという流れになっています。
<目次>
第0章 見立てる力 The power of likening
第1章 デザインの誤解 The misconception of design
第2章 デザイン思考の誤解 The misconception of design thinking
第3章 0→1 Zero to one
第4章 0→1の実践 0→1 Practice
第5章 社会実装 Social Deployment
データ分析の仕事をしていると、常にお客様から「未来を予測したい!」という要望を受け、それに応えるよう定性/定量分析サービスを提供して来ました。
しかし、この本の冒頭に出てくる、『宇宙船地球号 操作マニュアル(バックミンスター・フラー)』に書かれていたという「未来を予測する最良の方法は、(自分自身で)デザインしてしまうことである」というくだり読み、「未来を予測するなんて、そもそも発想が間違っているのでは?」と考えさせられました。
本書ではデザイン思考=PDCAと定義され、特に“最初の課題の洗い出し部分が一番難い“とされ、それを「(個人の感性からくる)見立てる力」x「未来からの逆算」という方法で解決するという話に心を動かされました。
本書は“個人の感性とは何か”に紐づくアート思考、実際のアートを考えきっかけを与えてくれ、実際に芸術大学に通い始めるという人生の転機を導いてくれました。
◆本書から理解した個人的イメージ
SAS Institute Japan Ltd.
APAC マーケティングサイエンスチーム / データアナリスト
(以前はコンサルタント/データサイエンティストとして主に銀行でプロジェクトをしていました)
- 研究会への参加動機
- データ分析と対極に言われるデザイン思考/アート思考に興味を持ち、複数の本とセミナーに参加
- その後、現在の抽象的な思考のコミュニケーションが文字や対面の会話でしか行えないことが、ミスコミュニケーションの原因になっていると考え始める
- XRで伝えたい体験自体を共有するコミュニケーションができれば解決できるのではないかか?と妄想し、XR仮想体験空間構築の準備として、実空間の構築を学ぶために、京都造形芸術大学の空間演出デザイン学科(通信)で子育て/大学生/仕事と3足の草鞋で学び始める