2004年に出版した『ミリオネーゼの仕事術【入門】』(秋山ゆかり著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)で、自分のバイオリズムを把握するという話を書いたのですが、私は自分の調子が出る時間・出ない時間を把握して、それに基づいて仕事のスケジューリングをするようにしています。
これは、ビジネスと音楽という2つのキャリアを作るには、人よりもタイムマネジメントがうまくないと達成できないと思っていたからで、大学でアーティスト向けのコースで学んでいた時に、タイムマネジメントのうまい先輩から学んだことでした。
バイオリズムを把握する方法は、同じ仕事を1とした場合、時間と曜日によってどのくらいの差がでるのかを測って調べるというものです。ここでご紹介している図は、20代のころの私のデータですが、数年に1回アップデートしています。アップデートする理由は、経験することでマスターするレベルが変わること、年齢とともにバイオリズムも変わることなどです。
基本的なスケジュールの入れ方は、70%以上のパフォーマンスが出せる時間には重要な仕事を、そこそこしかパフォーマンスが出ないときには、定例会議をはじめ、それほど重要ではない仕事を、半分以下のパフォーマンスしか出せないところは、仕事をしないか、経費精算などの頭をつかわなくていい作業というような形でマネジメントしています。
また、秘書やプロジェクトメンバーにもこの表を渡していて、どのタイミングで私を活用してもらうともっとも効率的かというのもシェアしていた時期もあります。
これをもう一歩進めて、自分が「創造的に仕事がしやすい時間」「アイディアが出てきやすい時間」というのも見つけてあります。
アイディアが出てきやすい時間に、頭をハードにつかう仕事を入れると、アイディアが消えてしまうことが多いので、そこは意図的に頭が自由にさまよえるように、あまりスケジュールを詰めないようにしてきました。
創造的になれる時間が見つかっていた!
私は自分で自分のパターンを見つけていったのですが、なんとすでに創造的になれる時間など、科学的に見つけられていたことを最近知りました!
最近、もっと睡眠の質をよくしようと思って、睡眠に関するマスタークラスのpodcastを聞いたときに、紹介されていたのが、マイケル・ブレウス著『最良の効果を得るタイミング 4つの睡眠タイプから最高の自分になれる瞬間を知る』という本です。
この本の第12章「創造性にまつわる「いつ?」」で、ブレインストーミングに最適なタイミング&最悪なタイミング、音楽の演奏に最適なタイミング&最悪なタイミング、ひらめにき最適なタイミング&最悪なタイミング、小説を書くのに最適なタイミング&最悪なタイミングが紹介されています。また、これらの背景となっている研究についても紹介されているのがとても興味深かったです。
この本では、人を4つのタイプ(イルカ、ライオン、クマ、オオカミ)に分けて、それぞれのタイプでどの時間帯がいいかを紹介していて、すごく参考になりました。
自分のタイプを参考に、今まで自分が計測してきたバイオリズムとどう合致しているのか、していないのか、それはなぜなのかなどを考えて、新しい生活リズムを作り出そうと試行錯誤しています。
皆さんも、是非、自分が創造的になれる時間がいつなのか、探してみてください!
戦略・事業開発コンサルタント、声楽家、アート思考研究会代表幹事
イリノイ大学在学中に、世界初のウェブブラウザ―であるNCSA Mosaicプロジェクトに参加後、世界初の音楽ダウンロードサービスやインターネット映画広告サービス等の数多くの新規事業を立ち上げ、インターネット・エンジニアのキャリアを重ねる。ボストン・コンサルティング・グループの戦略コンサルタント、GE Internationalの戦略・事業開発本部長、日本IBMの事業開発部長を歴任。2012年に独立し、戦略・事業開発コンサルティングを行う会社Leonessaを設立。明治大学サービス創新研究所客員研究員。声楽家としても活躍し、TV朝日「題名のない音楽会」では「奇跡のハイヴォイス」と評される。国際芸術連盟専門家会員。
子どもの不登校をきっかけに、大学で心理学を学び、認定心理士、不登校支援カウンセラー、上級心理カウンセラー、Therapeutic Art Life Coachなどを取得、心のレジリエンスとアート思考の融合を模索中。
著書
- 『ミリオネーゼの仕事術【入門】』
- 『自由に働くための仕事のルール』
- 『自由に働くための出世のルール』
- 『考えながら走る』など多数。