【アートとビジネス】

アートとビジネスの違和感
ありがたい事にNewaPicksのアート思考に関するインタビュー記事で470picks頂きました。>> https://newspicks.com/news/5502141/

コロナ禍で「先が見えない」「正解が見えない」社会が一気に浮上した事でビジネスシーンにおいてもアート思考に対する注目度が高まっているという事だと思います。 

一方、アートとビジネスについて、『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス』の著者山口周氏がアート思考の違和感について語っています。

「アートとビジネスの近接」は多くの場合、「ビジネス文脈にアートを取り込む=Art in Business Context」か、またはその逆に「アート文脈にビジネスを取り込む=Business in Art Context」という議論がほとんどで、「ビジネスとアートをまったく別のモノとして捉えている」という点で共通しているのです。

いま私たちに求められているのは、ビジネスそのものをアートプロジェクトとして捉えるという考え方、つまり「Business as Art」という考え方だと思います。

 ビジネスが「社会における問題の発見と解決」にあるのだとすれば、本質的にこれはアーティストが行っていることと同じことなのです。

https://president.jp/articles/-/41779 より引用

アートに正解がない様に、アート思考については、正解や定義や理論があるわけではないので、これはアート思考で、これはアート思考ではないと言う議論は避けたいのですが、出版されている本を読んでいると2つの傾向があるように思えます。山口氏は「ビジネス文脈にアートを取り込む=Art in Business Context」か、またはその逆に「アート文脈にビジネスを取り込む=Business in Art Context」かではなく「Business as Art」であると言っています。つまり、<外在的アート思考><内発的アート思考>の2つの傾向であると言えます。

内発的アート思考:私たちはアーティストなのか?
内発的アート思考は山口氏の言う「Business as Art」の解釈だと思います。基本的に全ての人はアーティストであるという前提です。『子供は誰でも芸術家だ。問題は、大人になっても芸術家でいられるかどうかだ。』とピカソは言っています。全ての人はアーティストである前提、またはアーティストであったという考えを元にするもので、私のセミナーもそちらの考え方です。つまり、自らアーティストとして作品を生み出すように新しいビジネスを生み出したり、イノベーションを起こすことで社会をより良くしようとする行為そのものがアートだということです。

資料:柴田作成

ヨーゼフ・ボイスの「社会彫刻」という概念でも『すべての人間は芸術家である』と提唱されています。そこでは人間の意識的な活動は全て、芸術活動であると説明しています。芸術作品は見て楽しむだけでなく政治、環境、社会、経済に対して影響を与えるものであり、芸術作品を作ることが主たる目的ではなくそのことによって社会を変えていくこと、だとしています。エンジニアも、学校の先生も肉屋も銀行員も社会に対し変革を起こす存在であるということです。

進化生物学者のジャレド・ダイアモンドはチンパンジーと人間の遺伝子は「98.4%」が同じなのに、なぜここまで大きな違いを産み出したか?たった2%の違いの一つが芸術だと言います。

「芸術は最も高貴で、人間のユニークな特徴だと考えられている。言葉と同じ様に、なにはともあれ、これで人間と動物の間には一線が引かれる」

若い読者のための第三のチンパンジー」P151より引用

拡大解釈すれば、この2%が人間の芸術的センスだとしたら人間が生み出した社会そのものがアートであるということもできます。

外在的アート思考:アートを取り込む
一方の外在的アート思考はアートを外部刺激として扱い、その作品との対話や刺激から感性を豊かにし創造性を取り戻そうというアプローチやアーティストとコラボして商品を作るなど、アートは原則として外にあるものとして扱われています。

アートマインドを取り戻そうとするアプローチなので結果的にはアートを内在化させようとうアプローチでもあるといえますが、絵も描いていない、美術館にも行かないビジネスパーソンにアートと社会、アートとビジネスはなかなか結びつかないと思います。アートと社会の乖離を埋める行為としての対話型鑑賞や社内でのワークショップは有効だと思います。個人の創造性を引き出す目的でなくともエンゲージメントを高めるため社内で対話型鑑賞のワークショップを取り入れている企業や、自社のカルチャーモデル(ビジョンやミッショ)をアート作品に投影して浸透させるようなプログラムを実行している企業も出てきています。

Facebookの”Analog Research Lab”
アーティストを組織内に実装しているとしてる事例として、Facebookの”Analog Research Lab”という試みがあります。Facebookはオフィスの中にアーティストを多数雇い入れるArtists-in-Residenceプログラムを公式に実施しています。世界中に10のラボがあり、20人以上のフルタイムの従業員がいるなど、アーティストは普通の社員同様に雇用され、経営層の言葉からアート作品を制作します。そこに表現された作品から社員が自分なりの意味や答えを導き出します。アートとデザインを通じてFacebookコミュニティ内の創造性、革新性、開放性、接続性を促進するために存在しています。

この様にアートを通じたコミュニケーションが海外の先進的企業では一般化しているのに対し、日本ではまだまだこれからの様です。

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