直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN

アート思考という言葉は存在するが、人によって定義からしてバラバラ。

さらに実際の思考の鍛え方になると途端に抽象的になるものが多く、具体的であっても「絵を鑑賞する」「絵を描く」など、ちょっとビジネスや思考を鍛えるのとは離れていくなぁと感じていました。

そんなところに、下記ブログで「京都造形芸術大学で5日間のアート思考の実践講座が行われた」ことを知り、その経験をもとに書き起こしたという佐宗さんのこの本に興味を持ちました。

・Blog:アート思考: ビジョンをデザインする授業 〜妄想を創造のエンジンに変える

「それはただの妄想だ。まず根拠を示せ!」いま、そんな常識が通用しなくなりつつある。その背後では、「一見、根拠のなさそうな直感」を現実に重ね合わせられる人・企業が、マーケットに強烈なインパクトを与えている。「途方もない妄想」からスタートして、ヒト・モノ・カネを動かすには?目に見えない「停滞感」を打ち破る、思考の新技法―。(「BOOK」データベースより)

デザイン思考を学んだ佐宗さんらしく、まずはビジネスの視点から入りやすいよう、思考を「カイゼン思考」「戦略思考」「デザイン思考」「ビジョン思考」という4つ世界(グループ)に分類し、“伝わりやすいゲーム世界のような絵”で表現。それぞれの思考法が、所属する業界のビジネスモデルから来る考え方だと説明しています。

そして自身がやりたいことだけで人生を過ごせる理想の地として「人生芸術の山脈」を描いています。

しかし、そんな一握りの成功者になるのは非現実的で読者も難しいと考えるため、彼の提案する「ビジョン思考を体得するためのビジョンのアトリエ」へと誘い、そこで具体的に「何を学ぶのか?」「そのためには何をすべきか?」とつなげて、思考を鍛えていきます。

このように佐宗さんが定義する「アート思考≒ビジョン思考」を独学できる内容となっています。

目次

第1章 「直感と論理」をめぐる世界の地図

第2章 最も人間らしく考える

第3章 すべては「妄想」からはじまる

第4章 世界を複雑なまま「知覚」せよ

第5章 凡庸さを克服する「組替」の技法

第6章 「表現」しなきゃ思考じゃない!

終章 「妄想」が世界を変える?

おわりに 夢が無形資産を動かす時代

「感覚変換を経て、自身の妄想・美意識を体感するワークショップ」として実践してみた

さまざまな本がビジネス×アート思考という言葉でさまざまな方向に発散していく中(例:オークションでアートの資産運用の話など)、この本では「ビジネスにイノベーションが求められている社会背景から、需要が高まっている“イノベーションは個人の妄想から産まれる“の流れ」を丁寧に説明。

また実際に体得するためのトレーニング方法を、京都造形芸術大学 のコースとして実際に行った具体的手法から生徒のフィードバックを受けて、整理しているので、読者自身が単独でもトレーニングできるようになっていると感じました。

ただ、やっぱり独学だと気付きと継続性が劣るため、個人的興味からブログとこの本をもとに、私自身が”感覚変換を鍛えるワークショップ“として再設計し、2019年7、8月に実際に主催してみました。

その結果、グループワークでの気付きシェアからとても興味深いこと(例:雲の写真にストーリーをつけると個々人によってグルーピングが異なる。たとえば、動きで説明する人や人間の心理で説明するなど)がわかりました。

この本に書かれている方法で”自身の好みを再認識でき、妄想を意識しやすくなる“ことを感じ、アート思考を鍛えるという1つの方法として有効ではないかと考えました。


本書から自身のワークショップで使うために再構成した思考の世界のイメージ
(図表は、著者の佐宗邦威氏より掲載許可をいただいております)

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