味覚を鍛える

私は食べることがとても好きだったのですが、味の表現は大雑把でした。

2000年にパリで仕事をしたときに、フランスの味覚教育のスタンダードとなっていピュイゼ理論というものを知り、味覚を鍛えることに興味を持ちました。

2017年に日本語訳『子どもの味覚を育てる』(ジャックピュイゼ著、CCCメディアハウス)が出版されています。

このピュイゼ理論では、味覚の刺激の全体図が提示されています。

食べる前に受ける刺激(見て、聞いて、嗅いで)と、食べている間にうける刺激(味わって、触って、全体の判断)の2つに分けられています。

食べる前に、どんな形なのか、どんな状態(液体、固体など)なのか、どんな色なのか、どんな音なのか、どんな臭いなのかなどを感じ、ノートに書き留めます。

そして、食べている間に、どんな味(酸味、塩味、甘味、苦味(日本人なのでうまみも付け足しています))なのか、どんな臭いなのか、どんな科学的な刺激があるのか、口の中ではどんな機械的な刺激なのか、どんな温度なのか、どんな風味や印象なのか、気になることを書きとめます。

その時に食べた場所などの情報と併せて日記に書きとめることをしばらくすると、「あぁ、これはパリのあのレストランで食べた味と同じオイルの味がする」と思い出せたり、「母と一緒に昔食べたあのときの味に似ている」と自分の中で眠っていた記憶がよみがえってきたりしました。

そんなことを続けていたある日、ミツカンが、だしを表現するための評価用語を体系化したのを知り、だしをどう表現するのか興味を持ちました。

(出典: ミツカン ウェブサイト)

この評価用語は、私たちが生活をする中で、「どんな味がするんだろう?」と考えを整理にするのに、とても役立つと思い、ご紹介します。

ここまで細かく私は日常で自分が食べている料理を考えるクセはないのですが、このだしフレーバーホイールを知ってから、今までに使っていない言葉に当てはまるか、より具体的に自分が感じた味を表現できるかを考えることにハマっています。

不思議なもので、意識し出すと、最初は差が分からなかった味も、「オイリー」と「ファッティー」を使いわけるようになっていくものです。

こうして、味覚がどんどん研ぎ澄まされていき、自分の「好き」「嫌い」「どっちでもいい」が細かく感じ取れるようになっていっています。

そして、こういうことを繰り返していくうちに、1年前は苦手だと思ったこの味も、慣れてきたのか好きになってきたなぁと感じたり、体調によって味が変わることに気づいたりしてきます。

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