【ベゾスの採用面接の話】

アマゾンの創業から数年間の採用面接でベゾスは「あなたが発明したものについて教えてください」と質問したそうです。
それがどんなに些細なことであっても、自分から生まれたアイデアを実現したことがあるか?新しいことにチャレンジしてきたか?という点を重視していた様です。ベゾスという人は、未来を見通す優れたビジョンを持った人ですが猛烈なカリスマリーダーで、ワークライフバランスという言葉とは無縁のハードな職場を作るマイクロマネージャー(うるさすぎる上司)だそうです。それについていけるのは、採用の時点から「世界を変える」くらいのアイデアとビジョンを持った熱意あふれるAクラスの人間しか採用しないという方針があったからだといいます。ジョブズ同様にかなり人間的には難ありな性格ではありますが、イノベーションはこういった環境から生まれてきています。

アート思考はアーティストの創造性をビジネスに活かしていこうとするものです。
収益性を度外視すれば、アーティストはこのベゾスの質問に容易に応えられるでしょう。自分だけのオリジナルな曲や作品は売れる売れないに関わらず小さな発明です。今までにない新しいものを作り出そうとする姿勢が貴方にあるかないか?そこが問われているのです。独自のアイデアとビジョンと熱意をもった人という意味においてはアーティストも同じで、違いがあるとすれば、その表現するアウトプットが商品であったりサービスであったりするわけです。

そして、アイデアとビジョンを実現するのは行動力です。
ある新規事業チームのサポートをしたとしましょう。新規事業会議で「離島」が盛り上がったとします。1週間後の会議で、私は「離島はどうでしたか?」とチームに質問します。誰も離島に行っていなかった時、このチームに好奇心と行動力がないことを実感してしまいます。内発的な好奇心に突き動かされてすぐに行動して<自分ごと化>していくことができなければ創造性は単なる妄想癖にしかならないのです。
まずは試験的にでも作ってみる、議論している暇があったら実際にやってみれば、何が悪いか、何が間違っているかわかる。

「現実は決して計画通りにはいかない。しかし、計画を立て、それを書き表すというトレーニングによって、そこにあるさまざまな問題点をよく考えることができる」(ジェフ・ベゾス)

新規事業部で上申してもなかなか採択されないと嘆いている人に、お金をもらって挑戦できる環境がどれだけ羨ましいことか、諦めないで妄想と実験の蓄積をとことんやったらいつか実ります。とお話ししました。創造性と実行力を持って失敗の蓄積という経験なくして新規事業やイノベーションは生まれないのです。

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