好奇心の育て方

昨日、アインシュタインの名言「私には特別の才能はない。ただ私は、情熱的に好奇心が旺盛なだけだ。」をご紹介しました。好奇心は創造性と強い関係性があります。

では、好奇心は育てることができるのでしょうか?

私の答えはYESです。

不完全な情報に触れることで、好奇心を刺激する

学生時代に、当時取っていた心理学の授業で、行動経済学・神経経済学のリーダー的存在であるジョージ・ルーヴェンスタイン氏の論文「The Psychology of Curiosity: A Review and Reinterpretation」を紹介されました。

その後、ビジネスパーソンとして、声楽家として、キャリアを重ねる上で、私はこの論文を何度も読み直し、関連する文献も読みながら、自分の生活の中で、チームの中での好奇心の見つけ方、育て方のヒントを探りました。

この論文の中で、ルーヴェンスタイン氏は、”curiosity requires a preexisting knowledge base” (p.94) 「好奇心を抱くには知識ベースが必要」と指摘しています。

p.94の1段落目からかなり詳細に書かれているので、気になる方は原文をあたっていただきたいのですが、私たちはまったく知らないことについてそもそも好奇心を持つことはないけれど、なにか少しでも知っていれば、そこから学びたい、知りたいという意欲を持つことはできるのです。知れば知るほどもっと知りたくなる。スペシャリストは知れば知るほどもっと知りたくなるを追求していって育っていく人たちです。ルーヴェンスタイン氏は、好奇心が知識とともに大きくなることについても紹介しています。そこで、この知れば知るほどもっと知りたくなるプロセスをスタートさせるために、ルーヴェンスタイン氏は、”prime the pump”(ポンプに呼び水をする)方法として、興味深いけれども不完全な情報を呈示し、好奇心を刺激することを紹介しています。

私はここでの学びから、自分が知らない領域の本を毎月テーマとして掲げて読むということを始めました。毎月テーマを掲げて、その関連の書籍を読むのです。

全く知らない領域では、最初はわからないこともわからない。

けれど、だんだんわかるようになっていくうちに、「これが面白い」「これをもっと知りたい」という気持ちが湧いてきます。

日々触れる情報でも、テーマとして掲げていることに関連していないか?自分の中で好奇心がむくむくとわいてきます。

テーマを決める際に意識していることがいくつかあります。好奇心には、拡散的好奇心とよばれる「いろんなものを知りたい」というものと、特殊的好奇心と呼ばれる「1つのものを深く掘り下げて知りたい」というものがあります。掘り下げモードに入りすぎていたら、あえて違う領域をぱんぱん並べて学んでいくようにしたり、拡散モードに入りすぎていたら、3か月1つの領域で複数のテーマを学ぶなどしています。

詳しくは、2004年に出版した著書『ミリオネーゼの仕事術【入門】」で紹介しているので、詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。

質問をすることで好奇心をはぐくむ

ルーヴェンスタイン氏は、次のようにも書いています。

 “when attention becomes focused on a gap in one’s knowledge. Such information gaps produce the feeling of deprivation labeled curiosity. The curious individual is motivated to obtain the missing information to reduce or eliminate the feeling of deprivation.”(知識のギャップに注意が集中すると、そのような情報のギャップは、好奇心とラベル付けされた喪失の感覚を生み出します。好奇心のある人は、喪失の感覚を軽減または排除するために、不足している情報を取得するように動機づけられます)

好奇心を精神状態だけでなく、知識のギャップを埋める情報が見つかるまで私たちを前進させてくれる強力な感情だとも教えてくれているのです。

また、質問をすることで好奇心をはぐくむこともできるそうです。興味深い質問や魅力的な質問を投げかけることで、チームの好奇心を刺激するのです。

人を動かす質問力については、以前日経ビジネスオンラインに寄稿した「絶対にしてはいけない地雷の質問とは?」をご参照していただきたいのですが、簡単にまとめると、以下の3つのポイントを押さえると確実に質問力はあがります。

  1. 質問をする目的をはっきりとさせること
  2. 目的にあった下調べをすること
  3. フレームワークを使って目的に沿った質問を作る

また、質問には6つの種類があります。

  1. 明確化を求める質問
  2. 推測・仮定を探索する質問
  3. 理由と論拠を探索する質問
  4. 視点に関する質問?
  5. 含意と因果関係を探索する質問
  6. 質問に対する質問

これも詳しくは、日経ビジネスオンラインの記事を読んでいただきたいのですが、私がチームメンバーに対してよくつかうのは4と6に加えて、「どうしたらもっとよくなるか?」「あなただったらどうやるか?」という質問をするようにしています。

自分に対しても、チームに対しても質問をすることで、好奇心を刺激することができます。これは子どもにも有効な手法だと思うので、質問力、ぜひ磨いてみてください。

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